子宮内フローラ
夢源鍼灸院の酒井紀和です。
今回は、「子宮内フローラ」について書いていきたいと思います。
子宮は、受精卵が着床し、赤ちゃんのベッドとなる大切な場所です。その子宮の状態が妊娠にも影響することは想像できると思います。
子宮内は無菌で、菌が入らないように守られていると考えられていました。
最近の研究で、子宮内にも様々な菌が存在することがわかってきました。それが「子宮内フローラ」です。
腸内にも様々な細菌がいて、善玉菌などは腸を整える働きをしてくれます。子宮内にも同じように細菌がいて、いい子宮内細菌(善玉菌)は子宮を整える働きをしてくれます。
膣には、ラクトバチルスという細菌が多く存在していて、他の細菌からの感染を防御し、健康な膣内を保つ働きをしています。これが子宮の正常な状態です。
腸内細菌が乱れ、便秘や下痢してしまうように、子宮内フローラが乱れることで、妊娠率が低下してしまうと考えられています。
海外の研究では、子宮内フローラがいい状態の場合、体外受精での妊娠率は70%以上だったのに対し、子宮内フローラの状態が悪いと、30%以下になるというデータがあります。また、子宮内フローラの状態が悪いと継続率も下がることや早産になりやすいとも言われています。
35歳以上になると卵子の質が悪くなり、妊娠率が低下してくるというデータもあるため、子宮内の環境を整えることで妊娠率の低下を抑えることにつながります。
子宮内フローラと腸内フローラは関係している可能性が高いと考えられています。
子宮内フローラの状態が悪い方に、ラクトフェリンという腸内細菌を整える薬と乳酸菌の膣剤を入れることで子宮内フローラの状態が改善する場合があるようです。
腸内フローラが食べ物や体の状態の影響を受けるように、子宮内フローラも同様に影響を受ける可能性があります。
子宮内フローラの状態を良くするには、食生活が鍵となると考えられます。
食生活を見直すことで、子宮内フローラが改善し、妊娠率がアップする可能性があります。
子宮内フローラを改善する食生活については、インスリンがキーポイントになるので今後お伝えしていこうと思います。